“人と人がお店を繋ぎ、お店が人を繋いでいく”
アムリタ食堂。
吉祥寺駅前の賑やかな通りから5 分ほど歩き、商店街の脇道へ入ったところにあるのがタイ料理屋・アムリタ食堂だ。11 年前に、今回お話を伺った店長の内山さんを含む4 人で始め、昨年10 周年を迎えた。店内の内装はアジアンリゾートがテーマ。ほとんどがスタッフの手作りだという。天井に飾られた可愛らしい照明と、ぬくもりを感じさせる家具が都会の喧騒を忘れさせ、楽しい食事にそっと華を添える。
人気のランチメニューはアムリタスペシャルランチだ。タイのおばさんたちによって振る舞われる料理は本場の味そのもの。もちもちとした食感のタイのもち米、パパイヤのシャキシャキ感とナッツの歯ごたえがたまらないサラダ、パリパリの皮と厚みのあるお肉が食欲をそそる香ばし焼きはまた食べたいと思わずにはいられない。
「みんながリラックスできて楽しめるものをやりたいというスタッフの思いから、効率や回転数を気にしないスタイルを貫いています。」と語る内山さんの言う通り、店内はリラックスした雰囲気が漂い一口一口味わいながらお料理を頂くことができる。さらに、「お母さんが子供を連れてでも気楽に入れるタイ料理屋」という開店当時のコンセプトに基づき子供連れにも優しい環境が整っている。
お店では様々なジャンルのアーティストを招きライブ等の催しも行われる。ライブをやることによりいいアーティストさんに来ていただけるようになり、いいアーティストさんに来ていただけると、タイ料理を食べたことのない人が来て下さる。その人が食べておいいしいと連呼すると、どんどん広がっていく、という良い相乗効果が生まれてくるそうだ。
まさに、「人と人がお店を繋ぎ、お店が人を繋いでいく」そんな関係である。
「人と人は気持ちがないと絶対つながらない。気持ちがなくてただのルーチンではサービスは出来ないですよね。この店が好きで料理が好きで、っていう人はお客さんにも勧められるし。お客さんに「美味しいね」と言っていただけるとこちらも嬉しい。そういう気持ちのつながりが一個ずつ増えていくと、あっという間に広がっていく。タイ料理が好きな人もいるし、来た事の無い人がいきなりつながり始める場合もある。人ってどうしても偏りがちになりますよね、好き嫌いがありますから。でも嫌いなものの中に好きなものがあるかもしれないし、それは自分で探せばいい。タイ料理が嫌いでも、食べてみたら『あ、おいしいんだ』って気がつくとそこからまた広がっていく」
人を思いやる、楽しむ、という私たちが日ごろ忘れがちで決して忘れてはいけない気持ちが詰まっているアムリタ食堂。既成のサービスを提供するのではなく、常にスタッフが一丸となって一つずつ作り上げてきたというお店だ。みなさんもぜひこの温かさとタイのおばさんのご飯の美味しさに触れてほしい。
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-17-12
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