2013-2014 A/W 東京コレクション
alice auaa 2013-2014 A/W
「Aragne」
──優れた機織りの娘アラーニェは、機織りの神アテーナーと機織りを競う。しかしアラーニェはアテーナーの怒りを買い、自らの愚行を恥じて自害する。死を許さないアテーナーはアラーニェを蜘蛛の姿に変え、蜘蛛となったアラーニェは今でも糸を垂らし機を織る。
ショーはひとつの物語となっている。不貞のタペストリーから始まり、アラーニェとアテーナーを対峙させ、また蜘蛛の姿と化したアラーニェをモードに昇華し、なおかつalice auaaの解釈により現代のアラーニェを表現したという今回のコレクション。
全体的に蜘蛛を表現しているものが多く、蜘蛛の巣のように見えるシースルーのワンピースや、蜘蛛の胴体に見立てたクリノリンなどが見られた。ショーの中盤には、大きく膨らんだ風船のようなものを身に着けた男性が登場し、よく見ると蜘蛛の足が付いていた。
終盤のウェディングベールを被った女性が、糸に巻かれた赤ん坊を抱いて登場するシーンはとても印象的であった。これがデザイナー自身が想像する現代のアラーニェの姿なのだろうか。
alice auaaの特徴であるゴシックで独特な世界観が感じられるショーであった。
Photographer / tsuyoshi
Text / Saori Aoki