自分の作ったものを、自分の服が好きだっていう人に、自分の力で売る
■このお店のコンセプトを教えてください
HIRO（以下ヒ）： なんだろうな。無いことも無いんだけど、そんな大それたこともなくて（笑）
僕は以前ＨＩＲＯショップというお店をやっていたんですけど、お客さんが多くなっちゃって、お店を大きくしたいなと思っていたところに、タイミング良く原宿に物件があると聞きつけて、じゃあ二人で見に行こうということになったんです。
原宿の中央だし、自分もお店移ってもいいかなと思っていたので、入江さんと相談して、じゃあ2人でやってみるかみたいな感じになりました。大きな目的があってというよりは、居心地の良い場所ができればいいなという感じでしたね。
■ＨＯＮＥＹ‘Ｓ ＤＥＡＤという名前の由来を教えてください。
入江（以下イ）：ジーザス＆メリーチェインというバンドのアルバムのタイトルなんですけど、別にジーザス＆メリーチェインにすごい思い入れがあったわけでもなくて、単純に“ＨＯＮＥＹ”っていう言葉に、僕が洋服を作るときも考えるときもキーワードになり得るなにかがあって、ＨＯＮＥＹをつかいたいなって思って出てきたのが、ＨＯＮＥＹ‘Ｓ ＤＥＡＤなんです。ＨＩＲＯの服がちょっとジーザス＆メリーチェインみたいな印象が僕にはあったし、ＨＯＮＥＹの、彼女とかはちみつみたいな甘い印象と、ＤＥＡＤのネガティブな印象が合わさって、良い名前だなって思ったので、その名前にしました。完全に思いつきです（笑）
■内装に対するこだわりはなんですか
ヒ：ＨＩＲＯSHOPのときはアットホームな感じだったんで、今回はお店っぽくしたいっていうのがあったのと、入江さんの服も僕の服も、ぱっと見のインパクトが強いから、お店の内装をごちゃごちゃした感じにすると、服とケンカしちゃうと思ったので、白い空間で、壊れた病院というか、廃墟になった病院という感じで作ってみました。
イ：ＨＯＮＥＹ‘Ｓ ＤＥＡＤの名前からの連想で、彼女が死ぬとか、病気とか精神病院とか、そんな感じをイメージして、ベッドを入れました。
■ＨＩＲＯショップから、ＨＯＮＥＹ‘Ｓ ＤＥＡＤになって、お客さんに変化はありましたか
ヒ：お客さんは増えましたね。女の子がすごいふえたかな。前のお店は、狭いし暑いしで、好き嫌いが出るし、初めて入るのって勇気が必要だったんだと思いますね。
■実際お客さんにふれてみて、作る洋服に変化はありましたか。
ヒ：昔はお客さんの顔が見えてなかったから、あんまり人に着てもらって嬉しいという感覚はなくて、自分がかっこいいと思っているものを作るだけだったんです。でもこのお店ができてからは、その時にお店に必要なアイテムも自由に作れるし、リミテッドアイテムとかも作れるしね。それを買ってくれる人がいるということがすごい嬉しいし、やっててよかったなと思いますね。
イ：お客さんから学ぶことってあるんだなあ、と。このお店があることで、いろんなことを吸収していってると思いますね。
■ＨＯＮＥＹ‘Ｓ ＤＥＡＤでしかできないことはなんだと思いますか
イ：セレクトショップとか人任せじゃなくて、自分の作ったものを、自分の服が好きだっていう人に、自分の力で売るっていうのがいいのかなと。そういうことのベースになる場所なのかな、と思っています。
■どういった人にこのお店の洋服を着てもらいたいですか。
ヒ：変な大人には着てほしくないと思うんですよね（笑）
若い子ってパワーがあるし、その年代を築いていくじゃないですか。そういう感覚が鋭い子達が着てくれるのは一番嬉しいですね。大人の為に作りましたって言うと、それは作り手もかっこいい物がわからないと宣言しているんじゃないかと思ったりもするんですよね。大人って別に年齢どうこうの問題じゃないし、俺や入江さんみたいに大人になりきれない大人ってものまあ価値はあると思うんで。自分なりの本質を貫いた仕事をやれば良いんだと思います。
■今後の展望などを教えてください
イ：まずはここを続けることですね（笑）僕は行き当たりばったりで、あまり先のことを見越して動いているわけではないので。今はいかにも洋服屋さんが歩むような、王道的な道にはあんまり興味がないんです。別にそれがかっこ悪いとは思ってないんだけど、自分達がやりたいかといったら、すこしちがうかもしれない。
ヒ：服一着作るまで、すごく時間かかるんですよ。今はネットが主流じゃないですか。でも、お客さんがお店に来てくれて買ってくれるのが一番うれしいので、そういう方向に持っていきたいですね。
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