Fashion, Interview

井上健太郎×青木正一 ”WEB/紙媒体の観点からのストリートスナップ” 1/2




”WEB/紙媒体の観点からのストリートスナップ”


RIDSNAP編集長井上健太郎とFRUiTS編集長青木正一の対談が原宿のアニヴェルセールカフェで行われた。
創設してまだ数年にもかかわらず、ストリートスナップのWEBMAGAZINEが話題を集めるRIDSNAPの代表井上健太郎,日本のストリートスナップを担う重鎮「STREET」,「FRUiTS」,「TUNE」,「RUBY.」を運営する青木正一が集い、ストリートスナップの未来を語り明かす。
WEB/紙媒体の未来とは。ストリートスナップにおいての媒体の差異は何か。


-井上さんは、RIDSNAPというストリートスナップのWEBマガジンを運営されていらっしゃいますが、なぜ雑誌などの紙媒体ではなくWEB媒体を選ばれたのですか-


井上「もともと雑誌でやるかWEBでやるかみたいな葛藤はなかったですね。」
青木「雑誌ってうちでしかやってなかったしね。」
井上「そうですね」
井上「そもそもストリートスナップで食って行くんだ!!みたいな強い意志で始めた訳でもなく、エンジニアになりたくて練習用で作ったサイトがこうゆう形になったって感じなんで。雑誌でやるかWEBでやるかみたいな考えはなかったですね。」


-逆に青木さんは、自身のWEBサイトを盛り上げようなどの考えはございますか-


青木「最近、やっとTwitterもFacebookも慣れてきたから始めようかなとは思ってる。」
井上「でも青木さんって元々プログラマーですよね?」
青木「そうなんだけど、今、目先のツールを使うのとネットのプログラミングをするっていうのは、感覚が大分違うんだよね。WEBブラウザのHTMLとちょっと相性がよくないんだよ。」
一同 (笑)
青木「なんでも相性ってあるじゃない。」
井上「青木さんがWEBやってるのって想像できないですね。」
青木「何か形が見えたらやろうとは思ってるけどね。」
井上「自分でやるんじゃなくて、誰かのサイトをサポートするっていう形がすごい想像できますが。」
青木「良い形がみえたらやりたくなっちゃうから、やっちゃうかもね。全然わからないけど。でもタダで見せるっていうのは無理なんだよね。スナップ撮るって大変な作業だし、貴重な人生を浪費してるわけだから、タダで流すことにメリットが感じないと無理だね。」
井上「青木さんって普段どんな事してるのか謎なんですけど、どんなことしてるんですか?」
青木「最近、仕事がめんどくさくてねぇ。昔は出版しかなかったけど、最近は違うじゃない。だから出版じゃなくてもいいのかもって考え始めたよ。」
井上「青木さんが、昼間からバリバリ営業してるの想像できないですよね。」
青木「そこがぼくの欠点でね。だいぶ時代が変わってきてるので、柵もあるし、得意な事ばかりに集中してもいられないしね。得意なことだけ集中したいよ。ハイパーメディアクリエイターの高城さん(※1)の考えかたと僕の考えが似てる気がするんだよね。色々、捨てていかなきゃいけないとか、出版社がiPadとかで何とかしようと思ってるのが間違えだとか。彼が出版メディア、ストリートファッションをどう思っているのか興味あるね。」
井上「私生活が謎なところが(青木さん)と似てますね。どうやって生計たててるの気になります。」
青木「売るもんないのに、お金を引っ張ってきそうだよね。彼がストリートファッションをどう思っているのかも気になるね。」


-紙媒体とWEB媒体との違いは、明快ですが、WEBでも個々で違いを感じますか-

井上「始めは、どこも同じ感じだった気がするんですが、最近はそれぞれ色が出てきましたね。」
青木「最初は、スナップサイトみたいに始まったけど、今はどこも(ストリートスナップが)付録的な感じになってるよね。総合ファッションサイトが多くなってる気がする。」
井上「最初は、ただのスナップサイトだったのが、それぞれ枝分かれしていって、今のスタイルになった気がします。」
青木「どこで儲けるのかって話だよね。RIDは最近どんな感じなの?検索で引っかかたら見る程度で、あんまりWEBサイト見ないからわからないんだ(笑)。」
井上「それってすごい正しい使い方だと思います。僕は、皆Googleっていう一つの入り口から入って、みてくれればと思ってます。Googleに写真提供してる感じです。RIDは、ギャル系、かっこいい男子、スケーター系みたいにジャンルを細分化して七つのサイトを運営していたんですけど、今年の春にまとめたほうがいいと思って、全部統合しました。」


-そもそもサイトを細分化しようと思われたのはなぜですか-


井上「出版社が、色々な雑誌をやってるところってあるじゃないですか、、、。」
青木「うち?笑」
一同「笑」
井上「だからそうゆうもんだと思って始めてました。でも紙は物理的に有限だから細分化する意味があると思うんですよ。WEBは無限だし、自分たちがカテゴライズするべきでないと思いました。閲覧者が何系か決めるべきだと思って、RIDは、閲覧者がタグ付けできるようにしました。」


-青木さんは、「TUNE」「RUBY.」などストリートスナップに関する雑誌をそれぞれカテゴライズして発行されていらっしゃいますが、細分化された理由はございますか-


青木「東京でスナップやってる雑誌って『FRUiTS』しかなかったので、元々”FRUiTS”っていうジャンル分けはしてなかった。元々、『FRUiTS』にも男の子は載ってたんだけど、段々、裏原スタイルに変化していって、『FRUiTS』とは、ちょっと違うって感じてきたから『TUNE』を作った。だからファッションのジャンルに合わせて作ってるのはちょっと違うんだよね。そのファッションが生まれたから雑誌を作ったってだけ。」


-「RUBY.」を出版されたのもそうゆうことでしょうか-


青木「そうだね。隔月にしたかったけど、震災で色々あってできなかったから、不定期で初めていこうと思ってるよ。月で縛られるの嫌になっちゃたし。」
井上「紙は、有限だから細分化せざるを得ないですよね。」
青木「僕だって細分化したい訳じゃないんだよ。最初の『FRUiTS』みたいにおしゃれな人は皆載せるようにしたいだけどね。」




井上健太郎×青木正一 ”WEB/紙媒体の観点からのストリートスナップ” 2/2  続きはこちら



(※1)高城 剛
1964年葛飾柴又生まれ。
日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、
メディアを超えて横断的に活動。
著書に『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、
『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。
自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、プレイステーション、
ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。
総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。
2008年より、拠点を欧州へ移し活動。
現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、
創造産業全般にわたって活躍。
ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。
最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。
www.takashiro.com


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.