”Nid” それは人々の集まる空間
N i d
出会いは大切だ。例えば、あらゆる分野での名作との出会いは生活を豊かに彩ってくれる。渋谷駅の喧騒から歩くこと10分ほど、ちょうど原宿と渋谷の中間地点に素敵な服との出会いを提供してくれるショップがある。
Nidのコンセプトは「人々の集まる空間」。ノンエイジ、ノンジャンル、ボーダーレス・スタイルの限界は定めてないと代表の高橋氏は語る。
「Nidは有名・無名を問わずアーティストの個性が感じられる作品が集まる場所。あらゆる個性が重なり、ぶつかり、交わることで生まれる新しいスタイル。世界中で感じたファッションのいまを、新しさ、斬新さ、個性、バランスをキーワードに、この空間から常に発信したいと考えます。」
服に対して直観で感じたイメージを、そのままピュアにダイレクトに伝わるようにという思いのもと、ベルリン在住の建築家鈴木比呂夢氏が手掛けたコンクリート打ちっぱなしの内装は、シンプルでいて自由だ。その自由さとシンプルさは、個性の違う服が入ったときの見え方が大いに変化する。
「Butterfly Soul Fire」「Z.B…」「c.neeon」などベルリンブランドの取り扱いが多く見られるが、 Nidの運営を行っているDUNE発足はベルリンレーベルとの出会いに起因している。1989年のベルリンの壁崩壊という歴史的背景もあり、ベルリンは自由を、そして個性を重んじている。高橋氏はそこに共感し、ファッションはそうあるべきだとも切言する。他にもADD WEB MAGAZINE Vol.4で紹介した 「Makin Jan Ma」,「ffiXXed」もNidで取り扱っている。
バイヤーでもある高橋氏は現地に飛んで実際にデザイナーと直接交渉し、買い付けを行なっている。発足当時は、その街でどういうムーブメントが起きているかが、ただ興味があり、まず見て感じて、現地での情報収集で若手アーティストと出会っていた。しだいに、デザイナーとの友人関係が出来てきたので、そこからの紹介や、デザイナーからのアプローチも多くはなってきたが、常にデザイナーから送られてきている資料には全部目を通し、すばらしいと思うものが見れたときは、日本に持っていかなくてはというスタンスでデザイナーと話をしている。正直交渉という感じではないが確かにデザイナーにその熱意は伝わっているはずだ。
Nid最大の魅力はその自由さ変化性である。世間には様々なタイプのコンセプトを掲げているショップがあるが、Nidはお店のコンセプトによってセレクトを制限するのでは決して無い。あらゆるスタイルが日々、グルーブする今の東京で、何かを伝えようと奔走するあらゆるデザイナー達の輝き、情熱、決意、哲学、メッセージ、その姿を純粋でいて自由に強い思いでNid、DUNEは東京に伝え、発信しているのではないだろうか。デザイナー、そしてNid、DUNEの関係者達の熱き、真摯な思いを実際に感じるため、是非一度足を運んで欲しいショップだ。
Words: Masaki Kakishita
————————————————————————————-
■Nid(ニド)
住所:東京都渋谷区神南1-3-2 クボイビル1階
電話:03-5784-5448
営業時間:12時~20時
定休日:不定休