2012 S/S 東京コレクション気鋭のブランド
JUNYA TASHIRO
「謎の森」
10月21日、ベルエポック美容専門学校原宿校第二校舎にてJUNYA TASHIRO 2012S/Sコレクションが開催された。
コンセプトは「謎の森」。この「謎の森」というのはデザイナー田代淳也氏が感銘を受けたという小説「私は一本の木に恋をした」の中に登場するもので、今回のコレクションはこの小説の著者、沙真(サチカ)氏とのコラボレーションによるものとなった。
序盤のランウェイには黒いドレスやシャツをまとったルックが多く、まさに「謎の森」というものを連想させるようなものであったが、終盤にはエメラルドグリーンや白いドレスなどが登場し、「謎の森」の中にあるきれいな湖や草原、花畑を連想させるようなイメージであった。サブテーマに「初雪」を置き、実際に沙真氏に雪の結晶をかいてもらい、それを元にテキスタイルを作り、シースルー素材で作ったそうだ。またメイクにも頬にリップグロスをつけその上にベビーパウダーをのせ、そこでも「初雪」を表現した。すべてのルックに田代氏が「バカピンク」と呼ぶ、とても強いピンク色のタイツを履かせ、それもまた、とても良いアクセントになっていた。
今回のコレクションを終えて沙真氏は「小説の世界を私自身、初めてファッションの世界に落とし込むということですごく楽しみにしていたし、物語の中にある謎の森というモノがどのような形でランウェイに表現されるのかと思っていましたが、モデルさんたちもすごくキラキラしていて、今回の淳也さんとのコラボレーションでまた新たな希望の光が見えたのではないかと思います。」と語った。
田代氏は「ブランドを始めてから5年、今回が10回目のコレクションとなるのでここで区切りをつけたい、今後は海外に行くか等を半年間じっくり考えて体制を整えて、できれば次からリアルクローズで勝負していきたい。」と今後の展望を語った。
text : sekichi / photo : kenshiro