Fashion

NICK NEEDLES / 千野 高橋 3/3

独自の世界観を作り出すブランドNICK NEEDLES 千野氏・高橋氏にインタビュー

NICK NEEDLES / 千野 高橋 3/3 


第三弾からは思いについてお聞きします。


■これからの展望をお聞かせください。


少しずつですがNICK NEEDLESを好きだと言って下さるお客様が増えています。本当に有難い事です。そういうお客様に驚いたり、ドキドキしたり、楽しんで頂けるような服作りをこれからも試行錯誤しながら継続していくことが一番大切なことです。また洋服を発信することで様々なジャンルの方と垣根を越えてお話しすることが多くなっています。洋服の企画生産だけでなく舞台やライブ、広告のコスチュームデザイン、写真作品のディレクション、スタイリング、アーティストとのコラボレーションなど、お話する中で関わらせていただくことになった方々が沢山いらっしゃいます。その経験をまた自分のデザインにフィードバッグすることで多様性が生まれより良い感性が働いているのを実感しています。同じ気持ちを持ってやっている方々と力を合わせれば更に大きなことができる環境にあるので、自ブランドももちろんですがチームになってどんどん新しい事に挑戦して日本のファッションを盛り上げていきたいです。



■最後に千野さん・高橋さんにとってファッションとは?


千野:例えば服装は社会生活においての最初の自己表現です。物心がつき自分で何となく洋服を選び取った時から水面下でファッションとの密接な関係が始まっています。「ファッション」なんて大きな言葉を使ってみてもみんなそこから始まっているんです。言い換えれば誰もができる自己表現がファッションだと思います。誰もができるからこそ、そこには多様性が生まれて複雑に絡み合い、最初は可愛い、格好良いからという理由だけで服装を決めていたところから、洋服を通して自身と向き合い社会とどう結びつきたいのかというところにまで及びます。自分もまたそうでした。まだ洋服に興味が持てていない頃、自分なりに作品は作ってもどう発信していいのか分からず右往左往している時、ファッションに助けられました。多くの先人デザイナー達の作品を見て、コンセプトやテーマ、構造やフォルムに対するこだわり、そしてメッセージ性を強く持って作っていることを知り、そういう考え方でファッションを捉えている人もいるんだと知ってから、作品でありながら日常生活の中にも存在できる洋服のデザインに魅了され、同時に自己表現としてのファッションに目覚めていきました。自分の物作りをする一番の目的は作品を通して人と関わっていくこと。人間が好きで作っている部分が大きいので一言で言えば、自分にとってのファッションとは「世界と繋がるツール」です。


高橋:ファッションは自分にとって生きていく手段であり哲学であり、趣味であり、
色々な人と関わる為の方法です。自分の人生そのものですね。それと同時にファッションは今の時代を象徴するものだと思っています。常に変わっていく時代をどう形にしていくか。それがファッションの面白さだと思います。



今回は、NICK NEEDLESさんにファストファッションなど、服に対する思いなどを語っていただきました。普段耳にすることのないデザイナー視点からのファストへの思い、そして自分たちの立たされている状況。このような声が読者の心に少しでも入りこんでいったらなと感じます。また、このような機会をたくさん設けて外からではなく、内部からの現状を見せていけられれば幸いです。


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