ファッションデザイナー nusumigui / 山杢 勇馬氏 にインタビュー。
nusumigui / 山杢 勇馬 2/2
直感人間・独自の路線で突き進め、ストリートを中心に展開している山杢 勇馬にインタビュー
■逆に、コンセプトを作ってやっているブランドについて思うことはありますか？
自分が出来ないことなので、すごいなあと思います。でも一方で、コンセプトが一目で分かるものは少なく、説明されてやっと分かるものが多くて、コンセプトを作る意味を見出せないとも思います。第一印象で「これがいい！」と手に取る。服ってそうやって選ぶものだと、僕は思っています。
■ファストファッションによって、個性が無くなっているという懸念もありますが、どう考えますか？
個性がなくなるのは良くないけれど、手軽に安く服が手に入ることによってオシャレする人が増えているのは事実で、良いことだと思います。まあ、コレクションブランドにとって、良い存在ではないでしょうけど。(笑)自分がやっていることは真逆のことだし、自分の服は、ファストファッションに比べれば高い値段設定なわけで、その価値を分かって、賛同してくれる人が買ってくれれば良い。最近は、高いお金を出して買ってもらうのに一通りの着方しかできないつまらない服じゃ申し訳ないなと思っていて。逆さにしたり、ヒモをしぼると着丈が変えられるなど、色んな着方ができる遊べる服を作るようにしています。
■今後の展望について教えて下さい。
知名度を上げたいだとか、取り扱いを増やしたいとか、そういう思いはないです。自分の好きなものを集めて、作りたいものを作って、納品する。そうやって作ったものに賛同してくれる人がいることが、エネルギーになっていますね。遠方から、ネットで商品を買ってくれたり、お金を貯めて東京に行きますとメールをくれたりする人もいて。やっぱり自分でやらないと自分が完全に納得いくものは作れない。人に伝えると、どこかですれ違いが起こってしまうんですよ。結果僕ひとりが作っているので、限界があるんです。なので取扱店舗も増やせないんですよね。このまま、自分で直感のままに服を作っていく。これを続けていきたいと思っています。
