Fashion, Others

Column vol.1 What are you doing at home {because of an epidemic of Coronavirus} ?

 近頃の日本では、みんなどのように過ごしているのだろう。多くの企業がリモートワークへ切り替えつつあり、大学は春休みが延びたところも多い。大好きなアーティストのライブやイベントは中止になり、海外旅行やテーマパークへ行く予定も多くの人がキャンセルにせざるを得ない状況にある。感染症ウイルスの世界的流行なんて、まるで映画のような出来事に直面した今、さてみんな家で何をしているのだろう。こんな時こそ、自宅の自室で自分の時間を思い思いに楽しんでいる人も多いのではないだろうか。今回は、ADDメンバーの最近の家での過ごし方にフォーカスしてそれぞれのメンバーのコラムを紹介していく。非日常をあなたらしいやり方で楽しもう。

                              

                  

〈 断捨離〜悲しくならない雑誌との別れ方〜 〉

 パリでの1ヶ月の旅行から帰ってくると日本は大変なことになっていた。バイトのシフトは削られ、美術館や博物館、さらには競艇場までも当面の間閉館。(私と同じ飛行機に乗って来日した外国人観光客たちは一体何をして楽しむんだろう。)日本中の大学生は今、学期中喉から手の出るほど欲しかった暇を持て余してしまっている。こんな時、私は何をしようか。そこで今まで目をそらし続けていたベッドの横にある雑誌(と埃)の山の切り崩し作業に取り掛かることにした。やっぱり雑誌は紙媒体で買いたいおばあ感性の私は、買った雑誌をどんどんベッドの横に積み溜めてしまい、それはもうもはや部屋の中の彫刻のような存在になっている。
 今までなぜ捨てられなかったのかというと、好きなルックがそれぞれの雑誌にはお気に入りのルックがあって、捨てたらもう一生それらを見ることはなくなるんじゃないかと思うと、とりあえず取っとくかという気持ちになってしまうからだ。
 とりあえずまず始めに私は、めくったらもう二度と会えないのだと自分に警告しながら山を作っている全てのページを読んだ。すると時々どうしても別れが辛い時がある。その時は、ページを破る。全て読み終わった時には、ページたちでできた新しい小さな山ができていた。これでは、山の成分が小さくなっただけで、そのうちまた巨大な山に成長してしまう。やるなら徹底的に山と格闘しなければいけない。ああ、どうしよう。
 考えついたのは自分の好きなルックたちを全てステッカーにしてしまおうことである。ステッカーといっても、簡単に自分で作れる方法で、だ。まずページのお気に入りのところを切り抜いて、好きなところに置いて上から透明なセロハンテープをかぶせて貼り倒す、というだけである。やってみたら可愛いじゃないか!
 暇もいいなと思った春休みであった。   by Yuzuki

                           

                                

〈 NEXT IN FASHIONに夢中 〉

 サブスクリプションは、最強だ。映画やドラマを公開している映像系のサブスクリプションは、特にそうだ。家で過ごすのにこれほど素晴らしいサービスはない。しかもだいたいが安価な月額で何千何万のプログラムを視聴することができる。映画好きドラマ好きのわたしには他にはない素晴らしい娯楽の手段だ。私が加入しているのは、Netflix。洋画や邦画、アニメ、国内外問わずのドラマの種類の豊富さもさることながら、オリジナルプログラムの充実もNetflixの魅力の一つだろう。クイア・アイやセックスエジュケーションなど私のお気に入りの番組は数多くあるが、最近ハマったのが、『NEXT IN FASHION』である。これは、ファッションデザイナーによるリアルサバイバル番組だ。デザイナーたちが集められタッグを組んで、毎回出されるテーマに沿って服を2日で作り上げ、そしてラストにショーをする。ショーの後、一番良かった一組と悪かった二組が選ばれ、後者の中の一組は脱落するという、まさにサバイバルゲームである。回を重ねるごとに人数は減っていき、ラスト3回はタッグが解消され、個人戦となる。最終回、フィナーレに残るのはたった2人で、優勝賞金の25万ドルを手にするのは、もちろん一人だけ。ファッションがメインテーマなので華やかな番組なのかと思いきや、2日で服をイチから仕上げるのは私達が考えるよりずっとシビアだし、デザイナー同士の人間関係は生々しく、涙なしには見られないストーリーもあって、想像よりずっと見応えがあった。

 何かをクリエイティブに形にすること、表現することは、月並みな言葉だが、本当にとうとく、美しい。すばらしい。折られても終わらず、こんこんと努力を続け、前を見つめ続けようとするデザイナーたちの熱意に感動して、シャンとした気持ちになった。コロナの流行で昨今の身の回りはあまり明るくないけれど、前を見てできることをしようと思わされた。こんな日常でも何かに感激したり夢中になることはできる。まずはNEXT IN FASHIONを観ることから始めてみるのはどうだろう。今より少し日々をハッピーに有意義に過ごせる秘訣を発見できるかもしれない。

番組リンクはこちら→https://www.netflix.com/search?q=NEXT%20&jbv=81026300&jbp=0&jbr=0     by Haruka

                 

           

〈 リモートワーカー 〉

 朝起きてSNSを開く。コロナの話題を目にしない日はない。
各所で卒業式が中止になり、様々なイベントが自粛された。楽しみにしていたライブは延期になり、私の大好きなライブハウスはこの状況が続けばきっと小さなところから潰れてしまう。
  目に見えない脅威を前に、やり場のない怒りや不安をぶつける悪者を探す。それはライブハウスだったり、政府だったり、外国だったり。
 今はただ耐えるしかないのにな、とホットミルクを飲みながら今朝も考える。誰のせいでもないと本当はみんな分かっている。

 3月の予定が真っさらになってしまった私はリモートワークに精を出す。流行りのD2CブランドのCSと商品管理。決して表には出ない地味な仕事だが嫌いではない。
 いつもは新宿のスタバに居座り作業をするのだが、さすがにあの密集した空間に足を運ぶのは気が引けるので仕方なく自室に籠もっている。
 気分が上がるプレイリスト(自作)を流し、先日オーストラリアで買ったフレーバーティーをたっぷりのミルクで淹れる。
  私のリモートワークの質は周りの環境に左右されると言っても過言ではない。昨日はアロマディフューザーを買った。オレンジの香りが狭い部屋を満たす。

 タスクを書き留めた付箋。完了した項目から消していく。全ての項目が青い二重線の下敷になると、とても晴れやかな気持ちになる。逆にタスクが残ってしまった日には、寝る直前までもやもやした気持ちが残る。

 しかし、有り余るほど時間がある今は、タスクはほぼ毎日こなせているし、むしろリモートワークを終えた上で自分の時間も確保できているのだ。
好きな本を読んだり、気になっていた映画を観る。普段は忙しくてなかなか手が回らなかった検定の勉強をしたり、Adobeソフトの使い方を基礎から学び直すこともできる。

 気づけば、暖かい風と太陽の光を感じるようになった。
 世界の人々は感染症の脅威に晒されているが、そんな中でも季節は移ろい、日本には春が来る。
 どうかこの長く続くであろう戦いの日々に、自分なりの楽しみや生活を見つけてほしい。    by Yu

                           

           

〈 一人で楽しむ晩酌 〉

 ウイルスの影響で外出することを自粛するムードが続いているが、私の日常は変わらない。毎日アルバイトや編集アシスタントで外出し、夜遅くに疲れて帰る。そんな毎日の楽しみは、家に着いてから寝るまでの時間。自分だけの自由な時間だ。帰って何をしようか、帰り際に遅くまでやっているスーパーに寄りつつ、そんな事を考える。大好物のブドウが2割引になっているのを見て思わずカゴに入れる。冷蔵庫には甘口の日本酒が入っているし、今日の晩酌はこの2つで決まり。ワインのようにフルーティーな日本酒と果物の組み合わせは相性が良い。
 家についたらすぐにCD選び。今日の気分に合う一枚を探す。最近のお気に入りはゆらゆら帝国。もう解散してしまったが、独特の世界観のある曲で、聴いているとゆらゆら帝国の世界にトリップしていく。気づけばリズムにのって踊り出している。ついでにプレゼントでもらったアロマキャンドルに火をつけてみたり。特別な事はしないが、大好物と大好きな音楽があれば、家にいる時間は最高に楽しくなる。

 本当は生で音楽を楽しみたいが、行くはずだった音楽イベントは次々に中止、延期された。「楽しむ事」それ自体が否定されているような気にもなる。だが楽しむ事は否定されるべき事ではない。好きなミュージシャンのCDを買い、爆音で聴いて、音楽に浸る。体調が良ければちょっと出かけたっていい。もちろん手洗いうがいマスクは必須だ。この暗いムードはいつまで続くのか分からないが、家で過ごす時間は楽しいものにして欲しいと思う。    by Saaya

                   

            

text&edit: 望月青河