Fashion, Collection, Visual Work, Student

ENJI

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早稲田大学で活動する出版団体ENJIの第8回目のショーが、11月13日大隈講堂にて行われた。今回のテーマは「re-creation」。ルックブックでは今までにENJIが手がけた‘17summer号、’17autumn/winter号、’18spring号の3つのフリーペーパーの中からいくつかの企画とそのコンセプトが紹介され、自身の活動の再解釈、再構築を目指した。ここでは、今回” re-creation ”された のラインから特にメッセージ性が強く印象的であったものをピックアップして紹介する。

「the day i met you」
2017年summer企画でストリートファッションをデート服として紹介。今回のショーでは音楽とファッションを融合させ、ポップ・ジャズ・パンクの3つのルックへと再構築した。異文化、同性愛といった要素も取り入れ、単なるデート服にとどまらない多様な価値観を我々に提示した。

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「反骨芸術」
今回のショーで会場を最も異様な空気に包んだのがこの「反骨芸術」であろう。
細部に違いはあるものの、ほぼ同じ服に身を包んだ8人が一斉に歩き出す。落ち着いて眺めることも許さない彼らの歩速は論拠の無い社会秩序を物語っているようだ。しかしその中で1人、異なる服をまとった男が狂ったように歩いている。「誰が美しさを決めるのか?」「周りと同じであることが正しいことなのか?」現代社会に生きる私たちが一度は感じたことがあるであろう疑問への悲痛の叫びが聞こえるようだった。2017年aw号で取り上げられたこの企画をショーで再構築することで、紙面よりさらに直接我々の中の懐疑心を呼び起こさせた。

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「ロウワセダ」
今回のショーで最もリアルクローズの提案がされた、「ロウワセダ」。2018年spring号でssのコーデ、今回のショーではawのコーデが登場している。実際に早稲田の学生の声に耳を傾け、彼らの“とっておきのアイテム”とプチプラアイテムを組み合わせ、学生が親しみやすいリアルクローズを提案した。
「ファッションデワセダヲカエル」というENJIの理念を顕著に表し、また学生とファッションをつなぐ学生団体としての一つのあり方を指し示したといえるだろう。

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団体設営10年目を迎えたENJIが自らを見つめ直して作り上げた「re-creation」。彼らがショーを通して一貫して伝えようとしたことは解釈の自由である。何を感じても良い。価値観は多様だ。
一学生団体として、ファッションで何ができるか、何を伝えられるか。これからのENJIの活動にさらに期待が高まる。

text: saori
photo: yoshitsugu