Fashion, Collection, Tokyo 2019 S/S

MEMUSE 19S/S Collection

エネルギーを纏う

MEMUSEの2019年春夏コレクションが10月20日、渋谷ヒカリエにて発表された。
でんぱ組.incのメンバーである相沢梨紗がデザイナーを務めるブランド。
文化服装学院に通っていたことや、自身のアイドル活動の際の衣装デザインなどの経験を通して2017年、自身のブランドを設立した。

『ラッピング』をテーマに作成された新作コレクション。
女の子たちの個性やパワーを包み込む(ラッピング)ことによってエネルギーを閉じ込め、より溢れさせるような状態をイメージ。
そのテーマから、様々な生地がラミネート加工を施された艶感のある特殊な生地が多く登場し今季の特徴的な部分であった。
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2次元と3次元の間のような世界観をイメージして製作活動を行うMEMUSEは今回、”人間ではない何か”を意識してファンタジー味のある女の子を意識し洋服をデザイン。
妖精やお姫様、絵本の中から飛び出してきた様なヴィジュアルのモデルたちが登場し色使いも鮮やかであった。
そしてランウェイ全体が肌色な他、中央には女性たちが座り込んでいる演出が見られ仮想と現実の絶妙なバランスが取られているようにも感じた。
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アイドルグループ『でんぱ組.inc』のメンバーとしても活動する相沢氏は新作をランウェイショー形式で発表し一般枠でも直接見られるようにする理由として
「アイドル活動を行っている時にも感じているが、映像とは違う、生で見て体感しないと感じられない迫力があると思っている。だから、一般の人たちにも会場で見てもらい。そして自分自身もブランドに興味を持ってくれている人に会いたい。」と話した。

相沢氏が話すように、直接見ないと感じられない服の細かいディティールや空気感、感動などがたくさんあると私自身も感じる。東京コレクションを体験したことがない方は服に興味があるのならば、なおさら見に行って欲しいと私もここで読者に訴えたい。
なんでもネットで見れる時代。 暇つぶしにSNSを眺めているだけでも自然と情報は目に入ってくるが、そんな時代だからこそ一度足を運んでもらいたい。 きっとファッションに対する感じたことのない気持ちが生まれ、かけがえのない記憶になるはずだ。
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”プレゼント”というものは一見ラッピングがキラキラしているように見えるが本当にキラキラしているのはその中にプレゼントが入っているから。
中身があることによってラッピングもキラキラと輝いている。 そしてそれは洋服も同じだと感じた。
どんなに素敵なアイテムであれ、身につける者がいなければそこまでだ。 洋服は袖を通すことでそれぞれの個性で魅力が増す。そして、着る人によって様々な輝きに変化するものだと思う。

Text・Photo/櫻田美羽