Fashion, Collection, Tokyo 2018-19 A/W

YOHEI OHNO 2018A/W Collection

ショーではできない新しい表現へ

3月21日、YOHEI OHNO 2018AW コレクションがポリゴン青山にて、インスタレーション形式で発表された。

今回のショーでは、今までのYOHEI OHNOのアイコンであったメタリックな素材感から離れ、もっと人に近しい素材からイメージを得たと語ったデザイナーの大野陽平。人の生活に寄り添った提案として今シーズンを展開していったという。

_MG_9536

建物内に入ると机やソファ、ランプなどといった家具が並べられており、今シーズンのテーマでもある”生活空間”を文字通り表現したようなどこか落ち着いたノスタルジックな雰囲気が漂っている。そんな空間に、まるでオブジェかのごとくモデルたちは静かに佇んでいた。


y4

y5

柔らかで落ち着きのある色合い、ファーやスウェードといった優しい素材感、角のない人間的なフォルムなど洗練された穏やかさの中に、シルバーのアクセサリーがアクセントを与えスマートな印象を受けた。

2回のショーを経て、見せることに重きを置いて現実味のないものを作るショーに疑問を感じた大野。自身初のインスタレーションについては、「ショーで歩かせるために力をぶつけるのではなく、全体としての調和を考え家具一つ一つとのバランスを細かく調節し、空間自体をスタイリングすることを意識した。」という。一つ一つのプロダクトに真剣に向き合い、丁寧に丹念に作り上げるYOHEI OHNOらしさが感じられるコレクションであった。


Text / 福島 あかり
Photo / 杉本 和花奈