Fashion, Tokyo 2018 S/S

5knot….. 18S/S Collection

 東京コレクションも折り返しに差し掛かる19日、ヒカリエホールBにて5knot…..(ファイブノット)が2018年春夏コレクションを発表した。

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鬼澤瑛菜と西野岳人が夫婦で手がける同ブランドだが、東京コレクションは今季で二回目。ショー前の会場は青い照明に包まれ、さざ波のようなサウンドが響き渡っていた。今回は海沿いの街ナザレから着想を得たそうだ。

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青々とした空の下、白いレンガの街を海風が通る。建物の間には赤いロープが渡らされ、色とりどりの洗濯物が干されていた。「アズレージョ」という青い文様が描かれた、絵画のように美しい装飾タイルや、ゴシック式建築から影響を受けた「マヌエル様式」建築はルック全体に散りばめられた可愛らしい植物の柄に落とし込まれた。また強めの色彩をエナメル素材で取り入れアクセントに。スリットの入ったスカートや羽をモチーフにしたアクセサリー、動くたびに揺れるヒモがいかにも地中海と言った感じ。

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 ところで5knot…..のブランドテーマは『旅とヴィンテージ』だ。今回のショーを見ていて私の脳裏にはある言葉が浮かんだ。それは「外見は中身の一番外側」という言葉。東京コレクションをはじめ世界中のコレクションでは、たびたびデザイナーの思いや社会に対するメッセージがファッションに託される。私たちの日常でも然り、男性にモテたい女性はいかにもウフンと言った感じの可憐なワンピースを身に纏い、就活生は個性を殺し従順さを示すためにスーツを着用する。つまり私たちの感情や思考がファッションに表れるのである。だが、5knot…..のコレクションは着ている人をどこか遠くの世界へ連れて行ってくれるようなそんなパワーを持っているように感じた。あの布がなびくシャツやパキッと映えるエナメルパンツを身にまとった日には、地中海沿いの街を歩いているかのように気分が上がること間違いなしだ。装うことの楽しさに改めて気付かされたコレクションであった。


text/須藤 志央里
photo/Sho Makishima (@sho_makishima)
Photo edit / 田近 咲菜 (@is__sleeping)


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