junhashimoto x Fuku-zukuri 4.0
渋谷ヒカリエ8F/COARTにて、junhashiomotoの今季インスタレーション及びプレビューパーティーが催された。会場では「See Now, Buy Now」施策の実験的場としてのルック展示の他、ITプラットフォームを利用した「服づくり 4.0」プロジェクトに関するパネル展示とトークショーが行われた。服をカスタマーに身近に見てもらう、買ってもらうだけでなく、新しい技術や仕事の在り方を他のデザイナーたちやブランドへ知ってもらう機会として大きな意味を持ったものであったと感じた。
デザイナーの橋本氏、シタテル代表取締役河野氏、株式会社コミタス企画部本間氏によるスペシャルトークショーでは、日本のアパレル産業における課題解決と本プロジェクトに関する話題に続いて、ファッションのデジタル化、グローバル化について語られた。恵まれた国内マーケット下にあるが故に国外へのアピールが少ない日本のデザイナーたちに警鐘を鳴らす橋本氏の話は、非常に共感させられるものだった。
ファッションのグローバル化に関してはどうしても消極的な印象を受ける日本に反して、ほぼ同時期にお隣韓国で行われるソウルファッションウィークは、デザイナー、バイヤー、市民などすべての人々が参加できる’フェスティバル’色の強い開放的なイベントとして各国から注目を浴びつつあるという。ファッション都市として国内デザイナーの海外進出支援が手厚く、ファッション産業のグローバル化により一層力を入れている次第だ。橋本氏も述べているように、外国を国内に呼び込むためのアイデアとしては、ソウルのようにデザイナー、ブランド各々が一丸となって世界にアピールすることが重要なのではなかろうか。そして、ファッションウィークがそれを可能にする最も大きな媒体のひとつとして働くことができるのではないだろうか。私たち全員で日本のファッションを盛り上げながら、さらなる発展を期待したい。
Text/上田早織
Photo/萩谷祐一郎