2017年3月20日、新宿・ルミネOにて、AULA (アウラ)2017年秋冬コレクションが発表された。ショーとしては3シーズンぶりとなるAULA。今回のコレクションは、生きていく過程・要素・生命の進化から新たな1つのものをつくるということを、「多様性・ダイバーシティ」というテーマを軸に構成されている。
最初に登場したのはジャケット、パンツ、ビスチェのスリーピースからなるグレーのセットアップ。丈の長いジャケットにフロントで斜めにずらして合わされているワイドパンツからはラフな印象を受けた。そして2番目も黒のセットアップが続き、今回のコレクションはマニッシュな要素が強いかと思われたが、3番目で登場した鮮やかな赤いセットアップを身にまとったモデルからは、AULAらしい女性の強さと繊細さを感じた。そしてセカンドルックからサードルックへの変化のみならず、我々人間が持つ様々な要素の如く、その後も次々と展開を見せた。レザーとレースをベースに、ベルベットやシフォンやなど、異素材同士がミックスされていたり、「多様性」を感じさせる様々な素材使いをされた服たちが、1度のみならず、自由な発想で再度登場したりと、我々はそこからもまた「多様性」を感じざるを得なかった。
今回TOKYO BOXの企画に参加した理由の一つとして、メディアだけでなく一般の顧客に近い状態でショーを行いたかったとデザイナーの川島氏は語る。SNSが盛んな今、ブランドの世界観を広く発信し、オープンに配信しようといった試みだ。服もAWだが、ブラウスなどは晩夏から着られるものも多く、納期も早いものは4月からと、購買につなげたいという考えだ。
今回のファッションウィークではSee Now, Buy Now形式を取り入れるブランドや、AULA以外にも納期を前倒しするブランド、そして一般の観覧を多く設けたりと、今までのファッションウィークより一般層に歩み寄りを見せているのではないでだろうか。日本のファッション業界が盛り上がりに欠ける今、一般層と業界の距離が近づくことで、何か新しい風が吹くのではないだろうか。これからの日本のファッションウィークに期待したい。
Text/濱崎真実
Photo/田近咲菜