Fashion hong kong 2017 s/s collection
10月17日、Fashion hong kongによる2017ssコレクションが渋谷ヒカリエホールBにて発表された。香港の新鋭デザイナー3名による合同ショーで、昨年から続けて参加しているチャイリー・ホーとボリー・ホーに加え、ビッキー・アウが今回初めて合流することとなった。
最初に登場したのは、チャイリー・ホーの最新コレクション。タイトルは“Dream, or Jail”で、ジョージ王朝時代のある女性の奴隷が見た夢の物語がコンセプトだ。彼女独特のロマンチックな色づかいや柔らかな仕立ては、現代女性の繊細な美しさと自立、内に秘めた強さを際立たせる。特殊なシルエットと生地のテンションの融合が、同コレクションの革新性を明確にしていた。
今回が初参加のビッキー・アウの“Urban Chill”は、都会的なデザインと夏らしいくつろぎを感じるレジャーウェアを組み合わせたコレクション。建築にインスパイアされた直線とそのバランスが、洗練された雰囲気をもたらす。また、厳選された生地とブルー、アイボリーなどのモダンな配色が織りなすシルエットに細部へのこだわりが感じられた。
ラストを飾ったのは、ポリー・ホーによるブランド”LOOM LOOP”。テーマは”The Double Life of Madam White Snake”で、中国の伝説「白蛇伝」を題材にしたという。広東絹と中国結びに高い技術力を統合し、自身のコアコンセプトである「東洋と西洋の出会い」をより効果的に表現していた。緑と白の強調、歩くたびに揺れ動く蛇モチーフのアクセサリーやプリントが印象的であった。
合同ショーという規模形態にもかかわらず、各ブランドがそれぞれの特性を存分にアピールしており、香港ファッション産業の底力とそれを支えるデザイナーたちの創造力、熱意を実感。また、どのブランドのルックにも共通して、香港という都市と相まったオーラ、独特なアイデア、織物技術や素材への志向が非常に特徴的である。3名の女性デザイナーたちがつくりだす鮮やかな世界観を纏ったモデルたちのグローバルな顔ぶれからは、「香港から世界へ」といった積極的な姿勢も伺えた。今後も、香港ファッションから目が離せない。
Text/Saori Ueda
Photo/Hiroshi Nagayama, Kaya Kato