Fashion, Collection, Tokyo 2016 S/S

Blanc YM 2016 s/s exibition

Blanc YM 2016 s/s exibition

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シーズン毎に特定のテーマは設けず、リラクシングな日常のワードロープを提案する「Blanc YM」。展示会場に並べられたのは、今シーズン発表されたわずか10型のアイテム。使用した生地も3、4種類程度でありながら、個々のアイテムにはデザイナー宮内氏の拘りがギッシリと詰め込まれている。

ブランドコンセプトは「University,Diversity,+α」。普遍性と多様性、そして付加価値を与えるギミックが、ブランドの根幹にある。

デザイナーの宮内氏は「個性的なファッションもいいと思いますし好きですけど、リアルとオシャレを考えた時に、やっぱり自己満足だけじゃないものが欲しい。コンセプトの普遍性(ユニバーシティー)とは自分の持っているスタイルを指していて、しかしながらTPOや時代性、つまり多様性(ダイバーシティ―)を反映していく。普遍性を持ちつつも、日常生活における様々な場面に対応出来るようなスタイルを提案したい。年齢に縛られる必要もないし、自分のスタイルを保ちながらも多様化する日常生活に適応していく感覚」と語る。

今シーズンのコレクションで目を引いたのは、メインビジュアルにも使われたモックネックのTシャツだ。「ドレスTのような雰囲気にしたくて。縫いしろを袋縫いとまつり縫いで仕上げる事でステッチを極力出さず、シャツのような仕立てでTシャツにした」と宮内氏は語る。生地は軽やかなシアサッカー地を使用し、一枚でも表情豊かで存在感がある。

ボトムスはブランドの特徴である「リラクシングな日常着」のイメージを反映させたイージーパンツ。股上は深く、楽な履き心地でありながらシルエットはクリーンに。素材はサマーウールとコットンリネンの2パターンだ。

また、今シーズンはイージーパンツとセットアップで着れるアンコンジャケットも展開している。肩パッドがなく、シャツジャケットのような仕立てであり、気軽に羽織れるのが特徴だ。「ファッション好きの人って好奇心旺盛な人が多いじゃないですか。だから色々な場所に顔を出すと思うんですよ。例えば大衆居酒屋が多い街で人に会う事もあるし、銀座のようなちょっと高級な場所や、パーティーに行く事もあるし。何処に行っても浮かない、シーンを選ばずに羽織れるような洋服を提案したい」という宮内氏の思いが込められたジャケットだ。

宮内氏は今後の展望として「マイペースにやりながら、このまま続けていきたい。過度に洗練されている訳でもないし、熱狂的なファンを付けるようなブランドでもないが、出来るだけ多くの人に着てほしい。女性のお客様も多いので、ウィメンズの展開も検討しています」と語った。ギミックと日常性のバランスを大切にしながら、ディティールを全面に押し出す事なくプロダクトの面白さを取り入れる。「Blanc YM」の今後の展開が非常に楽しみだ。

 

【 Blanc YM デザイナー 宮内 裕太郎 】

文化服装学院Ⅱ部服装科卒業後、スタイリストアシスタントとして活躍。
その後、「Blanc YM」を立ち上げる。(2015 s/sより展開)

ブランドHP: http://blanc-ym.tumblr.com/

 

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