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J.W.アンダーソンのクリエーションとビジネス

J.W.アンダーソンのクリエーションとビジネス

ジョナサン

 

7月26 日「coromoza」にてJ.W.アンダーソンのクリエーションとビジネスについて、京都服飾文化研究財団の石関亮氏が講演を行った。
講演ではデザイナー、「ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン(Jonathan William Anderson)」と彼自身が手掛けるブランド「J.W.アンダーソン」について、その違いと関連性を元に話が展開された。

デザイナー、「ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン(Jonathan William Anderson)」は2008年に「J.W.アンダーソン」を設立し、2010年に初のウィメンズコレクションを発表。2013年にはJ.W.アンダーソンへLVMHからの出資を受け、さらにLOEWEのクリエイティブディレクターに就任した。

ブランド、「J.W.アンダーソン」のコレクションの動向としては、初期から2009年までは昆虫と神話を、2009年から2013年まではジェンダーとニュートラルをテーマに、2013年から2014年は素材とフォルムの探求、2014年からはディティールへのこだわりを主軸としている。「J.W.アンダーソン」と言うとジェンダーニュートラルというイメージが浮かぶ。数回のコレクションで継続的にこのテーマを元に行ってきたことでジェンダーニュートラルのイメージを明確に打ち出すことが出来たのであろう。

このような点を踏まえると「ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン(Jonathan William Anderson)が皮革老舗ブランドである「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブディレクターに起用された理由が理解できる。
LVMHは老舗ブランドである「ロエベ(LOEWE)」に斬新さをもたらし、ブランドを一部刷新をしようとの意図があったと考えられる。

また「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブディレクターに就任することによって自身のブランド、「J.W.アンダーソン」にも「ロエベ(LOEWE)」のもつ上質さ等のイメージを持たせることも出来る。
「J.W.アンダーソン」は継続的にブランドイメージの打ち出しをし、そしてそれによって評価されたデザイナー、「ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン(Jonathan William Anderson)が「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブディレクターに就任した。その結果として「J.W.アンダーソン」が更に注目を浴びるようになった、と言えるだろう。

ラグジュアリーブランドの多くは売り上げの多くを皮革製品が占めているが、皮革製品だけではメディアの露出も少ない。その為プレタポルテでブランドのインパクトを残していく。今回の話を聴き、ブランドイメージをどれだけ明確に打ち出していけるかはブランドを続けていくにあたって非常に重要なことだと感じた。