YUIMA NAKAZATO 2015 S/S Collection
10月20日、渋谷wombにて、YUIMA NAKAZATO 2015 S/S Collection が発表された。
今シーズンのテーマは「Concrete Jungle Survivor」。東京の若者が力強く大都会で生きてゆく様をイメージした。
会場は鉄のパイプが並び、何処か都会のアンダーグラウンドな世界を想起させる。
今シーズンはグラフィティーアーティストという存在にインスパイアされ、彼らの描くグラフィティーアートを今回のコレクションで利用した。
また、彼らが自らの顔を表に出さないという特徴に着目し、3Dプリンターでモデルそれぞれの顔をスキャンし、コラージュし、カモフラージュすることによって大都会に溶け込む姿を表現している。
興味深かったのは、コレクションピースに本物の石“リアルストーン”を使用した点だ。柔らかい石をスライスし、一つのアイテムとしてコレクションに落とし込んだ。
また、今シーズンはベーシックに立ち戻り、パターンはシンプルに、サイズジングにこだわっている。素材もデニムやジャージ素材など、広く世間に行き渡っているものを使用した。
90年代半ばの裏原全盛期に高校生だった中里氏は、現在ストリート系の人気が下火なことについて、「自分が一番影響を受け、感動したものを自分より下の世代に伝えて行きたいし、同時に現在のファストファッション、所謂流行の服だけでなく、自らカスタマイズをして独自のファッションを作り上げていく、そんな楽しみを知ってほしい。」と語った。
今回登場したグラフィティーアートは、製品化する過程で一着一着で違いあるものに仕上げていくそうだ。若者達に発信する、デザイナー中里氏の心意気が現れたコレクションとなった。
text/juri tada