Fashion

《ツイードキモノアーティスト:石岡すみれ氏インタビュー》個展「ハタチノカタチ」を終えて

 
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個展「ハタチノカタチ」レポート

 

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前回の記事「未来の着物アーティスト:石岡すみれ氏インタビュー」は、こちら
 
霜月の終わり、麗らかな陽光はまるで彼女の個展が開かれることを祝福しているようであった。銀座一丁目に昭和初期から佇むギャラリー「銀座モダンアート」にて、ツイードキモノアーティスト石岡すみれ氏の個展「ハタチノカタチ」が11/30、12/1に行われた。
 
ギャラリーでは大勢の来客一人一人に丁寧な物腰で挨拶をするすみれさん。
彼女の人柄は、きっと作品にも投影されている。約1年前、同じこの場所で合同展を開いた彼女が、今回は1人で企画をし、制作は周りの支えを得ながらも見事に「石岡すみれ」独自の世界を作り上げた。
ハタチになった一人の女性として、彼女はいまどんな思いを抱き、表現しようとしているのか、お話を伺った。


 

 
 今回、個展開催に踏みきったのは、織田きもの専門学校の2年生として着物制作の技術が身に付いてきたこと、そして自分の好きなものが、より明確に分かってきたことがきっかけだと彼女は話す。「ファッション」も日本の伝統を代表する「着物」も、こよなく愛するすみれさんは、二つを同時に表現する方法として着物自体の形は変えずに、コットンやシルクではなくツイード生地を使うことを選んだ。去年開催した展示は、布からのスタートではなく、アンティークの既成着物を集め、私物の小物でコーディネートを提案するという形だった為、今回の試みは圧倒的にオリジナリティーが強く出た。
 

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 個展の準備は、今年の夏から始まった。
以前から温めていたアイディアはあるものの、殆どの着想はこの夏に始まったそうだ。
日暮里の繊維街へ通い、自分のイメージに合った生地を探すことは決して容易なことではなかった。
なぜなら、彼女の求めるツイード生地は、その一般的な用途からも分かるように圧倒的に紳士物が多く、ダークでトーンの低い色調のものばかりだからである。
すみれさんは、作品作りに入る以前に、「自分の思い描く生地を探すことが、大変骨の折れる作業だった」と打ち明けてくれた。
正しく彼女の強いこだわりが、カラフルで華やかな、独特な世界観を生み出しているといえよう。

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こうして生地がようやく手に入ると、今度は仕立ての段階に入っていく。
1着の制作期間は約3週間で、学校の友人の協力を得ながらもすみれさんは計10着のツイードキモノを縫い上げた。
制作で特に難しかった所は細部の表現だったと言う。
そうした部分の作業をしていると、いったい本当に仕上げられるのかといった焦燥の思いにも駆られたが、周りの支えがあって全て完成させられたことは、本当に嬉しかったとにこやかに話してくれた。
彼女のツイードキモノは市販の小物やアクセサリーを合わせて着ることも出来る。
個展では手作りの帯や髪飾りも展示・販売されていた。
 
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展示作品の一つ、ドット柄の生地を組み合わせた個性的な帯は、実にユニークな表現を感じさせた。
また、髪飾りは成人式などでちょっとしたアクセントにもなるので是非試してほしいと彼女は言う。
そしてすみれさんの両手を覗き込むと、なんとその日のネイルもツイード柄。彼女らしいこまやかさとこだわりが垣間見られた。
 今回の個展で彼女が感じたこととは何だろう。
「夢のような2日間。多くの人の応援や協力を得て、2日間で様々な人に足を運んで貰えたこと。」
この事実に、彼女は、自分は1人ではないということを改めて実感した。
すみれさんのツイードキモノをオーダーしたいというファンも着実に増えている。
「咲くことを忘れない、すみれでいたい。」
何かを犠牲にしながら何かを叶え、それでも行動をするこそが、いつかビジョンを叶えられると確信したと、彼女は言う。
 
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ハタチという人生の節目に、銀座という特別な地で個展を行えたことを感謝し、これからもキモノで人々にきっかけを与え続けたいと、決意を新たにした。
強かでしなやかな石岡すみれさん。自分だけの表現方法を手に入れた彼女はどこまでも芯が通っている。日本だけでなく世界にも目を向けている彼女は、自分なりに具現化できたハタチノカタチを抱きしめてこれからも活躍していくに違いない。

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Text:minko
Photo:arisa