A DEGREE FAHRENHEIT 2013-2014 A/W
122°F(50℃)“Heat of Reaction”
3月22日、渋谷ヒカリエにてA DEGREE FAHRENHEIT 2013-14 Autumn / Winter Collectionが発表された。
会場に入ると、座席には観客用に用意されたBody Warmer(ホッカイロ)が。
その謎の答えは今季のテーマである、
122°F(50℃)
“ Heat of Reaction ”
にあった。
——— 反応熱 (heat of reaction) とは
化学反応に伴い、発生もしくは吸収される熱である。
鉄に例えた場合、それらが酸化鉄へと化学反応するとき、
反応熱 (heat of reaction) として放出エネルギーは、
鉄に含まれる錆により、発熱に違いが生まれる。
粒子の細かい鉄粉はすばやく酸化し、短時間で発熱する。
粒子の粗い鉄粉はゆっくり酸化し、発熱を長時間持続される様をいう ———
(インビテーションより)
バイオリンの演奏者を迎え、重厚な音楽とともに始まったA DEGREE FAHRENHEITのショー。1人目のモデルは全身ブラックの衣装を身にまとい登場。そこへグレーが配色されてゆき、終盤にはブラウン中心の衣装へと変化してゆく。全体としてブラック、グレー、ブラウンの単色またはバイカラーが中心だが、その素材や形は様々。粒子の大きさによりそれぞれの発熱に違いを持つ、鉄の特徴を表しているともいえるのではないだろうか。
上でも記載したような「鉄は熱を発する際に大気中に温度が奪われ冷たくなっていく」という現象を初めて知った際に面白いと感じ、テーマを決めるきっかけとなったと語るデザイナーの天津 憂(アマツ ユウ)氏。素材やバイカラー、グラデーションなどによって表現された、化学反応による変化の美しさに魅了され、思わずため息が出てしまうようなショーであった。
Photo / A DEGREE FAHRENHEIT
Text/ MAYU FUJIMURA