2013-2014 A/W 東京コレクション
The Dress & Co. HIDEAKI SAKAGUCHI 2013-2014 A/W
「The Dress who breathes 纏うムード。呼吸する色気。」
今回のテーマは色気。
2013年デザイナー坂口が思う「無機的な物が有機を帯び始める時のバランス」
色気を表現して行く内に物は呼吸をし始める…「Dress who Breathes」
thatやwhichではなくwhoを使うことで、“呼吸するドレス”という思いを共有する闘志であったり共同体であり、人に対してもそういう共同体であって欲しいという願いが込められている。
今回のコレクションはヌードカラーが多く、他にパウダーカラー・コスメティックな色も使用されていて、有機と無機をジオメトリックで表現しながら、カラーリングはルージュとファンデーションから着想されている。また線で流れを遮断する直線的な無機と点で支えていく有機を、一着の中で両方使うことによってパターン上0にしない位置で不自然なイレギュラーなデザインであった。
コスメティックは無機であり、素の人の有機でもある。
その中で有機に向かっていかにアプローチしていくかを考えた時に、魅了される服というのは有機100ではない。
今回の制作にあたり色気の中の有機と無機を考えた時にどうしてもキーワードになったのが1984年であったという。バブル前夜の、あの勢いがあった頃。その色気は有機100の色気ではあったが、今The Dress&Co.が表現したい新しい温度間のエレガンスは、無機が有機を帯び始める時。1984年を否定しながら肯定する、肯定しながら否定するというような対称軸としてどちらに揺れるかを意識したそうだ。
前回までは、カジュアルなイメージの多かったコレクションであったが、好きな女性像に忠実であるべきだというデザイナー坂口の思いが込められた本当に女性らしく、エレガントなコレクションであった。
Photographer / Mayu Takeda
Text / Azusa Sato