斉藤三才・上太郎親子展
「平成花鳥風月~Flowers-Birds-Air-Moon~」
日本を代表する着物作家の斉藤三才・上太郎親子の合同展示会が11年ぶりに、絹磨×JOTARO SAITO六本木ヒルズ店にて行われた。
日本の伝統技術が隅々まで光る着物は日本の職人の集大成である。元々洋服のデザイナーでもあった斉藤上太郎氏は昔ながらの着物のルール、固定概念に捉われない自由な発想で着物を作成している。目を惹くのはデニム、ジャージなどの身近な素材を使用した着物。より日常に根ざした着物を作成したいというデザイナーの気持ちが強く表れた作品である。また斉藤上太郎氏のデザインした生地を用いたシューズやバッグは新鮮だ。
花鳥風月という言葉は着物の世界の基本であり、「平成花鳥風月」は文字通り古典を尊重しながらも現代的な解釈を取り入れた展示会であった。
洋服を普段着る感覚で着物を着る。どうしても少しかしこまってしまう着物を、洋服でお洒落を楽しむように気軽に着てもらいたいという想いがある。翌年、80周年を迎える京都の染め屋「三才工房」の三代目である斉藤上太郎氏にとって、着物デザイナーという肩書きは譲れないことであり、テキスタイルデザイナーなど多岐に活動されている上太郎氏にとって“和”のライフスタイルを広めたいという気持ちは常に一貫している。
併設のショップスペース
古めかしく、着用する機会が薄れてきた着物を現代の私たちに歩み寄せ、挑戦してみたい気持ちにさせてくれた。
Photo / Maki
Text / Saori