Fashion, Interview

月刊 ミリリットル編集者、7seasデザイナー吉川七海氏にインタビュー。




月刊 ミリリットル編者、7seasデザイナー吉川七海氏にインタビュー。




Q. 月刊 ミリリットルはどういう雑誌ですか?


A. 写真だけのフリーペーパーです。主に私が制作した服のファッション写真を載せています。「ファッション写真だけの冊子って今までにないのでは?」と自分の服を自分で撮ってお見せするという新しいスタンスでやれるのではないかと思い、撮り溜めていた写真を集めて第一号を発刊しました。私が作った服だから、どう魅せたいかは一番理解している。父親が写真家ということもあって環境が整っていたので、そういう発想ができたんだと思います。文章でコンセプトとかを伝える、ということはしたくないので文字は絶対に入れません。写真は絵画とは違い、インスタントな媒体なのでスピード感がある。インスタントに扱うことで確かに価値は下がっちゃうのかもしれないけど、毎月の発行部数が100部ということは少なくとも100人に確実に定期的に見てもらえる。インスタント、スピード、写真の特徴を武器にした。媒体としてフリーペーパーを選んだのはそういう理由です。





Q.「こういう写真を撮ろう」と意識していることはありますか?


A. 洋服、モデルによって変えているけど、強いて言うなら「さみしい写真」。西武渋谷店で行った展覧会の作品『待つための服』には裏コンセプトがあって、あんまり幸せじゃない結婚、例えば若年結婚みたいな強制的な圧力のかかった「契約」などをモチーフにしているので、孤独感のようなものを撮ろうとしていました。ロケは大正時代の木造校舎で行いました。異なる時代の空気に馴染めず、過去に取り残された感を出したかった。言葉無しで、表情だけで「なんとなく」をどれだけ伝えられるかが大事だと思っています。私ね、ひとりっこだからすっごい寂しがり屋で、共感してほしいのかもしれない。


Q. 7seasはどういう服ですか?


A.どんな服作っているとは一概に言えません。こういうコンセプトです、というのはやめました。現状出来ないし、統一したくない。まだ学生、決めつける必要ないかなって。ここのがっこうに行って、自分の内側から出るデザインが今まで考えていたものと全く違っていて、21年も生きてるのに自分を理解していなかったことを実感しました。未熟ながらも有りの侭の姿の私を見守って頂ければ幸いです。発展途上中、乞うご期待下さい。





Q. 7seas、月刊 ミリリットルの展望は?


A.どっちもやり続けるのは可能かな。月刊 ミリリットルの良いとこは、毎月100人に知ってもらえること。大きいコレクションはまだできないけど、学生の間はインスタントな媒体を使って、多くの皆様へ印象を残せたら良いなと思っています。ファッションという表現方法に固執し、行き詰まっていた私を助けてくれたのが写真でした。自分には写真がある。写真で新しいファッションへのアプローチが出来るじゃないかって。それで気が楽になりました。写真を始めてから変わったのは、服を作っている時に、「こういう絵が撮りたい」というのが出てきたこと。これからも写真と服作りは並行してやっていきたいです。将来はデザイナー志望ですが、服も写真も人生もしなやかに強かに生きたい。




次号発刊日 2012年3月11日
『月刊 ミリリットル』
ファッションフォトオンリーマガジン vol.09
Only Free Paper (渋谷 PARCO PART1 6F)
7seas URL:http://www.7seas-arts.com/



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