Fashion, Interview

POTTO 2012ss -INTERVIEW-



POTTO 2012ss


POTTO/山本哲也氏
2001年、山本哲也氏によって立ち上げられたPOTTO。現在ではオーガニック素材にこだわったREREも展開。


Interviewer: Sakura Suda/ Iori Fujimori (ADD)


■ブランドコンセプトとブランド名の由来を教えてください。
-心地の良いものを作ることと、DIYであること。好きな猿の名前から、ブランド名をPOTTOと名付けました。


■デザイナーになるまでの経緯を教えてください。
-服が好きな友達の影響を受けて文化服装学院に進学し、一度はアパレル会社に就職しデザイナーやパタンナーとして働いていました。半年経って会社を辞めてからはアルバイトをしながら服作りを趣味として続けていて。ショーに出しても売ることはなく、終わったらそのまま人にあげていたりしました。徐々に来てくれる人が増えてからは展示会を始めました。服は“売りたいから”作るというよりも、“作りたいから”作るという気持ちが大きいです。


■手作りにこだわる理由は?
-手作りだからいいというわけではなく、自分が作るのが好きだから作っているというのが大きな理由です。基本的には「やりたいことがあるなら今やる」、「作りたいと思うものがあるなら作ればいい」と考えています。工場に委託してしまうと一枚だけでは作れなかったり、作りたいものをすぐ作ることができなかったりしますから。あとは作りながら気付くことや、作りながらでないと分からないことがたくさんあります。それはアタマで考えていても仕方のないことなので。


■一点ものがほとんどですが、それはなぜですか?
-無駄なものは作りたくないという思いがあります。最初にこのアイテムを何枚作る、といったことは決めずに作っています。


■素材や色、形でこだわっていらっしゃる部分はありますか?
-そのときそのときに作りたいもの、使いたいものがあるので、素材や形はそのときによって違ってきます。当然触っていて嫌な素材は使いません。着ていて心地よいものを選んでいますね。REREではオーガニックのものにこだわっています。


■作品に繋がるインスピレーションはどこからくるのでしょうか。
-作ろうと思って考えるというよりも、普段生活している中で気になったことやおもしろいと感じたことを何となく覚えている。その積み重ねだったりします。デザイン画を描くことはほとんどありません。基本的に一人でやっているので人に見せる必要がないというのもあるのですが。


■シーズンテーマを定めないのはなぜですか。
-以前はシーズンごとにテーマを設定していたのですが、お店を始めてから特にそれが不自然だなと思い始めました。テーマがあるのはあるのでいいとは思いますけど。


■ひとつひとつの製作段階で、テーマのようなものを設けたりはされますか?
-そのときそのときで一応こういうのがいいな、というものはあります。だからといってそこにこだわりすぎてできたものがよくない、というのは一番良くないと思っていて。作っている中でこういう方がいいなと感じたらその直感を優先させます。


■服を作る上で大切にしていらっしゃることは何でしょうか。
-ひとつひとつを丁寧に作ることですね。作品には自分のそのときの気持ちが反映されてしまうので、まずは自分の気持ちをしっかりするというところに気を付けています。


■ブランド立ち上げ当初から変わったことはありますか?また、現在も変わらないところは何ですか?
-「こうしなきゃいけない」という考えは、やりはじめたときの方が強かったです。それと比べると今は自由になったと思います。「作りたいと思ったものを作ればいい」という。今も変わらないのは自分で作っているというところですね。


■一時期ショーをやらなかったとお伺いしたのですが、それはなぜですか?
-ショーをやって展示会、それから工場に委託して大量生産するという流れが一般的だと思います。でも僕はそういうのには興味がなくて。せっかく作っているのならPOTTOの服が好きで見てくれる人に見てもらえるような場を作ろうと思って、引越しを機にお店とアトリエ、住居が一体となったPOTTO SHOPをつくりました。お店中心の生活になったことでショーをやる時間がなかったというのもあります。ショーをやっていた頃は、ショーに来てくれる人と実際に買いに来てくれる人が全く繋がっていなかったことがストレスになっていたこともありました。原因はショーをやる側にもあると思うのですが。実際に買ってくれる人や、好きで見に行きたいと思ってくれる人が来られないというのは全く意味がないと思って。でも最近はまた何かやりたくなって、今期またショーを行いました。


■いまの日本ではファストファッションを台頭に、安価なアイテムをすぐに手に入れることができます。この現状についてどう思われますか?
-色々なものを安く買えるというのは悪いことではないし、若い人の選択肢を増やしたという面では良いのではないでしょうか。安く買えるということ自体よりも、その作り方に問題があるのだと思います。例えばそれを安く売るためにすごく低い賃金で作らされている人がいたりする、そういったことで。作らせている側と作っている側がフェアではないんですね。もしそれがいい関係でできているのなら良いと思うんですけど。


■ブランドを通して伝えたいことは何ですか?
-楽しく、自由な気持ちになってもらいたいですね。だからどんな場所で、どんな人に来てほしいといった考えもありません。





■山本さんにとって、ファッションとは。
-すごく楽しいことだと思います。今の日本にはたくさんの服があるから「○○がいい」といったものがあるけれど、服のないような国の人でもそこらへんにある木をつけてみたりして、身の回りにあるもので自分なりに工夫をしますよね。それはお洒落とはまた違う次元のことだけど、それぞれにとっての楽しみであることは一緒で。あとは作り手と着る方の思いは必ずしも一致するわけではありません。自分がやりたいことがあっても、着る人にはそれはどうでもいいことだったりするんですよね。でも、それでいいんだと思います。


■今後の展望をお聞かせください。
-これからも作りたいと思った色々なものを作って見せていきたいです。今はその見せ方を考えています。服と生活の二つを融合させたものを作りたいかな。




2012ss COLLECTION



















2011-12AW (以前のコレクション)










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