Fashion

RYOTA SHIGA / 志賀 2/3



RYOTA SHIGA デザイナー 志賀氏にインタビュー。 


RYOTA SHIGA / 志賀 2/3


「Brand Concept」

「未来永続的に継続する一人、一人の幸福の為の行動。」



「2011-12 A/W コレクション / めびうすのわ」


人は自然の神秘を美しいと感じ、愛、平和を願うのは男性、女性、100年前の過去も、現在も、そして100年後の未来も変わらず、無限大に継続していくとおもい
永遠に続く未来。
それはメビウスの輪のように直線を180度ひねり糊付けすれば、無限大の記号「∞」に酷似する。
直線が曲線に変化し、永遠に続するメビウスの輪の形をインスピレーションとしたコレクション。


■アントニオさんのもとで働いて得られたことは何ですか?


アントニオの組織は、デザインチームでした。
アントワープの時はパターンと縫製でデザインにはあまりかかわっていなかったのですが、アントニオの時は「テーマはこんな感じ」と資料を渡されてリサーチしてから自らデザインに落とし込むという形で、コレクションより期間がすごく短いプリコレも行っていて、その中でデザインを何十型も挙げるという過酷なスケジュールでした。
パルマに工場兼パタンナーがいて、日本とは違いイタリアは、ファクトリーブランドが多いんです。そのパタンナーはコレクションピースもひけるので、そこに泊まりがけでトップデザイナー達三人が行ってデザインなどの話をして、チームとしてのコレクションを作っていくという緊迫感、そして、初めての現場だったので現場の厳しさに関しても学べました。デザインの面ではアントワープとは違うデザインの仕方、スタイリストが来て今期はこれが流行るとか流行を意識しつつデザインもやっていくということでビジネスと連動した形態も学べました。
そして、日本とヨーロッパの大きな違いも感じました。
ヨーロッパのエレガント、美しさは、ボディコンシャスで体を強調させる美しさ、日本の美しさは、隠れた部分をどう美しく魅せるか、たとえば着物であればうなじの部分に襟の部分をストンと落として中を想像させる美しさというものだけれども、ヨーロッパの場合すごくダイレクトで、私が引いたラインが全然美しくないと言われたこともあり、ヨーロッパでの女性の美しさについても学びました。


■今回の震災の影響でコレクションに対して変わった事やモチーフなどはありますか?


デザインは変わりないです。
しかし、福島出身なので、私も避難した後、ボランティアをして、一カ月くらいファッションの関しては何もしていませんでした。被害の深刻さを身で感じました。
石巻など、近くの地域は全部津波によって街がなくなりましたが、
そこに比べたら私は、全然なんともないから、何とかこの状況をデザイナーとしてファッションを通じて何かできないかなと思いました。
ファッションは美しい、楽しいものだと思うので、そこでなにかできないかなとツイッターやブログをとおしていろいろな人に語りかけてみたりしました。それがあってRunway for JAPANっていう話がきて、ようやくファッションで何かができるということにつながって動いて行きました。今後のクリエーションに関しては少なからずとも状況は変わってきて、やっぱりファッションっていうのは時代とともに流れていくものなので世界が地震についてどう捉えていくか、ファッションをどういう風に捉えるのかというのがあり、例えば、S/Sのプリコクションとか見ているとリゾートテイストだけど、意外とスポーツウェア素材のものを組み合わせているのが多いとも感じるし、それはやっぱり地震の影響もあるのかなと思います。機能的で動きやすいとか、そういうのとか少なからず出てくるし、世界から見ると日本のイメージ=福島のイメージになっていると思います。日本と海外のイメージにギャップがあり、日本は悪いイメージでとらえられていると思います。
そんな中、今考えているのが先ほどのRunway for JAPANをいわきでやりますが、私は現地の人とモノを作り、それを海外へ展開し、日本の悪いイメージをきれいなイメージとして発信していきたいです。
また、今回のコレクションは8割ほど、福島で作っています。
その中で生地も地震が起こる前から経営が厳しい、機織り業者だったり工場だったり、そこをどうにか私たちデザイナーも考えていかなければいけないのではないか、産業を守っていかなければいけないと考えています。私はまだ使わせてもらったことはないのですが、その凄い技術をプレゼンテーションしたりする場がないから衰退してしまっていると思うんです。そこを私が取り上げてそれをカッコ良くしていきたい、そういう流れになるように何ができるのかなと常に考えています。原発や放射能と不安が残る状況のなかでそのようなファッションでの貢献の仕方で福島を盛り上げていきたいと思っています。


■今回、震災直後、震災の影響でJFWが中止になり、展示会も自粛ムードになりファッションの美しさなどで盛り上げることができなかったと思いますが、その点に関してどうお考えですか?


私は、最初から自粛は絶対しないと思いました。これはあくまで個人だから言えることなのですが、全体を捉えるとショーが中止になるのは仕方なかったと思います。
ショーを行っても誰も来ないだろうし、節電や地震がまた来るかもしれない、放射能の問題がある中で、たくさんの人のことを考えると自粛せざるを得ないし、そうするべきだったなと思います。しかし、個人としては絶対そうするべきじゃないと思っていたので、上の人、大きなまとまりを管轄している人が自粛をしても、個人個人がやっていけばそれは一つの大きな力にはなると思いました。では、それをどうやっていくかと動いていて、それの一つの形がRunway for JAPANにつながったと思います。JFWが中止になり、サポートしてくださる大元が駄目になったからというわけで、私もショーだったりを中止にするのではなく、このような状況でもやっていけるという力のあるブランドが将来成長していくのではないかなと思うし、日本の産業はこれ以上広がらないと思います。安い服がこれから広がっていくと思いますが、コレクションをやっているブランドはファンの獲得がなかなか難しいじゃないですか。そこで必要になってくるのが、やはり、ブランドの強さだと思います。それがないと今後ファッションを続けていくのは難しいのでは。と思います。あとは、人の気持ちを変えていくことができるということがやはりファッションだと思います。アートだったり音楽というのもありますが、美しさという部分で共通していると思いますし、逆に自分がファッションをやっている上で様々な壁を乗り越えられたり、いろいろな方のおかげで、今自分がここに立つことができると思います。そういうものは、新しいコレクション、美しいものをやっていくことで、成り立っていくものだと思うので、今回の自粛、中止に関して、私は意味がないと思いました。



■コンセプトは具体的にどういうことをイメージしたものなのですか?


一つはファッションを通じて、今時代的に心の時代というかものがこれだけありふれていて、ネットで見て、なんでも得られる時代です。服も毎シーズンごとに作り、そして捨てられゴミのように流れて行ってしまう部分がどうなのかなと思うところがあり、私がやっている服作りはもちろん量産も行っていますが、半分オートクチュールです。だから私は、ものによっては、お客さんにあわせてオーダーでつくることもあるので、簡単にネット販売やセールをする状況ではありません。もしもネットで販売するとしても、T-shirtやあまり、フィッティングが必要でないものを販売したいと考えております。量産でばんばん売っていかないのでしっかりまわしていくというのは、なかなか難しいと思いますが、今ファッションをやっていく上で何を大事にしていきたいか、なんで私がファッション、ブランドをやるのかを考えると、一人に対して、お客さんに対して、私の服を着た時に例えばデートのときに着て自信が持てたり、パーティに行くときとかすごく自分がかっこいいと思える服だとかは、なかなか通販で買った服とかではそうはならないと思います。私の服を着てくれてなにか自信が持てたり、幸せになってくれたりとか見えない部分での温かさをブランドを通して作っていければいいなというのが強かったのでそこを大きなコンセプトとしてそこはぶらさないです。スタイルが変わったとしても結局何がやりたいのかというのはそこだからというのを掲げるためにもそこをブランドの大きなコンセプトにしています。






RYOTA SHIGA

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