2013 S/S 東京コレクション
et momonakia 2013 S/S
「Playback」
六本木のMercedes-Benz Connectionの会場にてet momonakiaの2013 S/Sコレクションが発表された。
今季のテーマは、「Playback」
赤い光に照らされたランウェイにはマイクスタンドが一つ置かれていた。モデル達は螺旋階段からまるでステージに降りてくる歌姫のように現れる。今回のコレクションはブランド名の由来の一人でもある”中森明菜”に捧げられたもので、バックでは四章構成となったコレクションそれぞれのテーマに沿った彼女の歌が終始流れていた。
歌「Solitude」から始まり、暖色のシンプルなドレスから落ち着きのある青や白ベースの服を纏ったモデル達。静な曲調の音楽から一変し、情熱的な「ミ・アモーレ」と共に揺らぐ炎のような装飾が施された服が現れた。
その後歌の終わりと共に静かとなった会場に、悲しい面影で真っ赤なドレスを着たモデルがランウェイを片足だけにはいたヒールを引きずりながらトボトボと歩く。デザイナーの城賀直人氏と玉置博人氏は、中森明菜を敬愛する理由の一つとして”影がある女性だから”と仰っていた。この演出はその”影”を表したものなのかもしれない。
ショーのメインとなったのは、マイクスタンドに向かって「Tattoo」を歌うモデルとオリジナルの歌の演出を真似たダンスを踊るモデル達のステージとなった。80年代らしい花柄、ヒョウ柄をプリーツや現代的なフォルムでアップデートした服が見られた。
最後はステージの前でモデル達が集合しカメラに向かって「Tattoo」の決めポーズ。哀愁ある「スローモーショーン」をバックにショーは終了した。
ここまでブランドのミューズを明確にしたブランド、ショーはないだろう。デザイナーの愛のこもったコレクションとなった。メルセデス・ベンツ プレゼンツ デザイナーに今回選出された城賀直人氏と玉置博人氏。今後もet momonakia から目が離せない。
Photographer / Maki
Text / A.H.