Fashion, Collection, Tokyo 2019-20 A/W

MURRAL 19A/W Collection


MURRALの表現する、自然・生命の尊さ

3月16日 STUDIO MOURIS ROPPONGIにてMURRALの2019年秋冬コレクションが発表された。
今回のコレクションテーマはEVERGREEN。
インビテーションには、アーティスト・中瀬萌によるペイントが施され、ショー開始前から私たちの想像を掻き立て期待が高まる。
そして前回同様会場にはMURRALで身を包む美女たちがフロントロウにずらっと並ぶ。
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小説”ノルウェイの森”からインスピレーションを得て制作されたコレクションにはキーワードが3つ設けられ、それに併せショーも全3幕に構成された。
第一幕はクリアリティ。 アースカラーが多く使われ自然の与えてくれる暖かさが伝わる。
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第二幕はイレギュアリティ。一幕とは一変し、奇妙さや不規則性が表れた。色調は鮮やかで、色とりどりに。レイヤードやスポーツMIXのスタイリングが増えるほか、アシンメトリーなアイテムやさりげない肌見せも多く見られた。
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第三幕はバイタリティ。 ”ノルウェイの森”で避けては通れない生や死に着目された。
映画版”ノルウェイの森”のロケ地・兵庫県 砥峰高原に実際に尋ねて撮影された景色がプリントされたアイテムが印象的。キラキラと光沢のあるアイテムは雪解けを連想し、まるで白銀の世界で日光が乱反射しているようだった。
モデルたちのメイクも同様に目元やリップにはシャイニーなラメアイテムが乗せられた。アクセサリーには、歩くたび揺れて輝きを放つビジューのロングピアスも目を引いた。
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色遣いや、上品な肌見せ、艶っぽい質感。力強くも繊細な女性の像が浮かぶコレクションであった。
そして自然や生命の美しさ、儚さも見えてくる。
まるで本当に映画を一本見たかのような満足感と、フワフワした感覚の残るランウェイショーだった。
前回のランウェイショーにてこれまでのブランドイメージをクリアに一変させたMURRAL。
新境地を切り開いたあと初のコレクションとなったが、既に新たなイメージは確立されたのではないだろうか。
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Text・Photo/櫻田美羽