Fashion, Tokyo 2018-19 A/W

tiit tokyo 2018A/W Collection


tiit tokyoが教えてくれた、テクノロジーに依存しすぎない生き方。

tiit tokyoの2018-19awコレクションが3月19日に渋谷ヒカリエにて発表された。「日常に描く夢」をコンセプトとし、独特な世界観から描き出された上品かつフェミニンな女性像を提案しているブランドである。



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“SOMEWHERE”をテーマとした今回のショーについて、デザイナーの岩田 翔氏は「テクノロジーが進んでいく中で、自然・光・音といった身近なものの美しさをファッションに落とし込むことで、ただテクノロジーが進みすぎている社会ではない”理想郷”を描きたかった」とコメント。

前シーズンから、所謂SFのようなステレオタイプ的なフューチャリスティックではなく、tiit tokyoオリジナルの新しいフューチャリスティックを意識していたという。


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モデル全員に着用させたこれらのシューズカバーは未来をイメージさせるが、これにハンドニットやオーガンジーを合わせることでテクノロジーと自然の温もりが共存したtiit tokyoが描く理想の未来像を表現した。


“SOMEWHERE”というテーマには”どこか”へ出発する、旅立つという意味が込められているという。
現代に生きる私達に今一番必要なのは、自分の足で外に出向くことなのではないかと思う。
なんでもインターネット上で完結することができる時代。もしもわからない言葉があればすぐに検索できるし、欲しいワンピースを見つければワンクリックで購入することができるし、はたまた好きなアーティストのライブ映像だっていつでも観ることができる。

しかし私達はその利便性に頼りすぎていてはいけないようだ。なぜならそこで得た情報はもののほんの一部に過ぎないから。
確かに、わからない単語を調べに図書館に行ったり、遠く離れたセレクトショップにワンピースを買いに行ったり、大金を払ってアーティストのライブに行ったりすることは大変かもしれないが、苦労して手に入れたものであればあるほど自分の中に残り、その後も生き続けるものになると思う。


テクノロジーに依存しすぎて、知ることや感じることに対しての熱い思いが薄れてきてはいないか。何事も表面的になってはいないか。
見たい、聞きたい、知りたい、欲しい、その思いを自らが行動にすることで、物事の本質は見えてくるはず。まずは大きな鞄を持って外に出てみよう。きっと自分の知らなかった世界が見えてくるだろう。

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Text / 佐藤 楓
Photo / 杉本 和花奈

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