Fashion, Collection, Tokyo 2018 S/S

DRESSEDUNDRESSED 18S/S Collection

新たなる挑戦へ、節目を迎えるドレスドが体現したものとは

東京コレクションに参加し始めてから、今回で12回目のコレクション発表となったDRESSEDUNDRESSED(以下ドレスド)。今やファッションウィークには欠かせない存在となっている。そんな東京コレクションの中でも大御所に匹敵するドレスドが提案する今季のテーマは”IN BLOOM”だ。

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毎シーズン、素肌にジャケットや女性はブラジャーにジャケットなど胸元が開けたスタイリングや、ブラックやホワイトを貴重にベージュなどのヌーディーなカラーを織り交ぜたスタイリングなどが印象深いドレスドであるが、今シーズンはより露出を意識したスタイリングが多く見受けられた。
というのも、デザイナーである北澤氏にとって節目となる来シーズンは、新たな挑戦をするための再スタートというテーマが込められており、ブランド名であるドレスドのアイデンティティに立ち返り、”着る” “脱ぐ”などの対比が強く打ち出されているのである。

裸の表現をどこまで被服で表現できるかを様々に試行錯誤したという北澤氏。その表現は随所に読み取ることができた。

本来はインナーとして着用するスリップドレスをさらに上からレイヤーし、ずり落ちた肩紐を抑えるようなポーズでランウェイを歩くモデル。
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一見、一着のトップスを着用しているように見えるこのルック。実は青いバラのトップスの他に赤、黄、緑のバラトップスの四着を着用している。さらに、よく見るとスカートのチャックが開いていて今にも脱げそうな様に見せるスタイリングとなっている。
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このように、レイヤードされたチュールの素材感や遊び心の隠れたデミデム氏によるスタイリングにより、被服を着用しながらの裸を見事に体現してみせた。

今回のテーマであるIN BLOOMは、花盛りという意味から思春期を連想させるワードでもある。思春期であった頃の私達は、心身共に成長する中、心の中では様々な想いが渦巻き始めていた時期であっただろう。私がそんな思春期というワードからぱっと思い浮かんだのは、やはり男女お互いの意識の変化であった。
前述したように、ドレスドはアイデンティティとして様々な対比を掲げている。その中の1つに男女の対比も掲げており、そのためあえて性別を意識させないユニセックスで着用できるアイテムも多い。そのドレスドのアイデンティティが強く反映されていると感じたルックがこの2つだ。

片脚はロング丈、片脚はショート丈のパンツ、さらに、胸が透けて見えてしまうシアー素材のトップスと、男女同じものを着用をすることにより男と女という対比がより際立って映っている。
思春期独特の男女間に生じる喜びやそれに伴う苦悩も読み取ることができたように感じる。
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また最後のルックは、来季のドレスドの新たな挑戦を表した特に象徴的なルックであった。
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ブランド創立8年目、デザイナーの北澤氏にとっての節目を迎えてさらなる高みを目指すDRESSEDUNDRESSED 。
ブランドの軸をしっかりと保ちつつ新たな試みに挑戦をする姿勢は、この先も我々の目にさらに魅力的に映っていくことであろう。
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Text / sana tajika
Photo / Ikki Fukuda