IN-PROCESS BY HALL OHARA 2015-16 A/W Collection
IN-PROCESS BY HALL OHARA(インプロセス バイ ホール オーハラ)の2015-16年秋冬コレクション「dekor」が3月18日、渋谷ヒカリエ ホールBにて発表された。共にロンドンのセントラル・セント・マーティンズ美術大学を首席で卒業した、スティーブン・ホールと大原由梨佳によって立ち上げられたブランドである。
今回のテーマとなっている「dekor」とは「decoration」のドイツ語。アール・ヌーヴォー、バウハウス、70sのテキスタイルをベースとしており、ノスタルジックな要素を調和的に掛け合わせたコレクション。花や植物のモチーフや自由曲線の組み合わせが特徴的なアール・ヌーヴォーと、水平・垂直なライン、合理的・機能的デザインが印象的なバウハウス。この2つは一見対照的に見えるが、「それぞれの様式に対するアプローチが似ている点において似たようなアスペクトがあり、ミックスしていく上で取り上げやすかった」と大原は語る。
70sのデザインは大原が10代の頃から愛するもので、70sのもつシルエット・雰囲気は大原のルーツとなっている。また、大学時代の教師が制作していたもの、ホールの生まれ育ったロンドンのユースカルチャーなどに基づくものでもある。
様々な模様が組み合わされた洋服は、プリントされた布の切り合わせではなく、1枚の洋服に対しての柄としてプリントしてある。ジャガードもオリジナルのもので、凹凸をもたせることでアブストラクトな雰囲気に。統一された髪型でさえも、アール・ヌーヴォーの柔らかなイメージとバウハウスのシャープでモダンなイメージを掛け合わせたものであった。
クリーンで美しいシルエット、スモーキーなカラー、そして独創的なテキスタイル。これらによってインプロセス独自の、モダンでありながらもノスタルジックなコレクションに仕上がった。