2014S/S 東京コレクション
STOF
「VOTANICA」
10月16日(水)STOF 2014 S/S のコレクションが渋谷ヒカリエにて発表された。今季のテーマは「VOTANICA」。
STOFというブランド名は、オランダ語で“布”を意味する。2004年にブランドをスタートし、以降、ユニークなシーズンテーマの元に展示形式でコレクションを展開してきた。今回が初のランウェイショー形式での発表となる。
テーマである「VOTANICA」は、イタリア語で“植物”。本来の綴りは“V”ではなく“B”であるが、そこには特に意味はなくデザイナー自身が軽い思いつきで変えたという。この軽い気持ちでの服作り、自然体がこのブランドの魅力のひとつでもある。
ショーは、ダンスと共にスタートし、総柄を中心に少し攻めたユニセックスアイテムが展開された。植物の迷彩柄をプリントとして落とし込み、アロハ柄などをメインにしたテキスタイル。マウンテンパーカーやニットなど淡い配色のものが多く、“自然を纏う”とでもいうようなルック。素材は麻や綿を軸にしていたが、ランウェイ形式に伴いモードっぽさも感じさせるバックやシルクのスカーフも見られた。
“丁寧に生きたい、庭に咲く地味な花の名前を覚えるような”というキャッチコピー。そこには、「普段は意識せずに通りすぎている景色やものごとにもう一度目を向けよう」というメッセージが込められている。あいにくの天気で交通機関が乱れている中、会場が多くの人で賑わっていたのは、“STOF”というブランドへの注目の高さであろう。着る人に袖を通して自然の癒しを与え、日常の些細な積み重ねを大切にするブランド。今回のランウェイを機に今後どのような物語を紡いでくれるのか、目が離せない。
Photographer / tatsuki
Text /kozo