女性はまだまだ羽ばたける!虎ノ門ヒルズという場所に込められた、「メッセージ」?
虎ノ門ヒルズ森タワー2階の吹き抜けのアトリウムで開催された。
一面ガラス張りの開放的な空間での純白のウエディングドレスは太陽光によって美しく照らされていた。
中でも、モルフォ蝶の羽をヒントに作られた「モルフォテックス」という見る角度や光の強さによって青く発光する生地が使われているドレスや、3Dプリンターで製作された蝶を象ったヘッドドレスは多くの注目を集めた。ファッションと最新のテクノロジーの融合はこれからも進んでいくだろう。
デザイナーの天津憂は、強い女性がエレガントさを求めて晴れの日に1番輝くドレスを作りたかったと話した。
ではなぜ、バリバリ働くキャリアウーマンの姿が多く見られる虎ノ門ヒルズでウェディングドレスのショーを行ったのだろうか。一般的に女性は、結婚して家庭に入るとなると“強い”というよりは、温かく家庭を見守る大らかなイメージが強くなると考えられる。働く女性と結婚した女性は対極なのだ。ここからは個人的な見解になるのだが、あえて虎ノ門ヒルズでショーを行うことによって、結婚してもなお社会で活躍し続けていってほしい、そうあるべきだ、というメッセージが込められていたのではないかと考えた。ファーストルックを飾ったのが佐藤かよだったのも、“女性”というキーワードを強調しているように感じられた。
そのために閉鎖的な空間に女性たちを閉じ込めておくのではなく、外の世界がよく見えるように壁一面ガラス張りで、さらに上昇志向を持ち続けられるように高い吹き抜けの天井の空間で、凛とした女性たちを可憐で清らかに演出したのではないだろうか。
今回のショーを受けて、女性がもっと自由にのびのびと、そしてエレガントに輝ける場が増える未来になることを期待したい。キャリアだけではなく結婚という女性としての幸せの両方を手にし、さらなる高みを目指して羽ばたいていけるように。
Text/村野陽菜・諏訪ふみ
Photo/永山洋