sen-i 2015 Fashion Show 「見えないものと見えるもの」
早稲田大学繊維研究会のファッションショーが12月13日、3331アーツ千代田にて行われた。「見えないものと見えるもの」をテーマに全体で約100点のアイテムを制作し、ショーでは65ルックを披露した。
今回は、衣服を構成する基本的な5つの要素-形態、素材、色、柄、細部について考える。その形式的要素がどう選択され、どう組み合わされ、どう布置されるかによって、衣服の表層に現れる意味や価値が生成する。彼らはこの5つの構成要素のデータベースを作り上げ、そのデータベースを機械的に組み合わせることによってデザインの可能性をつくり続けるとともに、つくり尽くす。
ショーが始まりモデル達が歩き出す。ランウェイの形状は複雑で、モデルの歩く道順も様々だ。所々に設置された鏡により、2人のモデルが平行に歩いているように見える。ウォーキングで曲がったところで、そのうちの片方のモデルが虚像であったことに私たちは気づく。
音楽とリンクして照明は細かな点滅を繰り返した。やがて照明も音楽も消え「静」の世界になるが、そんな中もモデルは歩き続ける。見えない姿と見える姿、見えないときと見えるとき、そんな演出は「見えないものと見えるもの」という今回のテーマに沿っていた。
また、今回の発表は展示会も同時に行った。東京男子展などに展示経験のあるKisshomaru Shimomuraや、Droptokyoでカメラを担当するKoutaro Katagiriが写真を撮影した。2日間によって撮影されたおよそ140枚の写真が並べられ、ショーと同じルックを身に纏っているが、また違った味が感じられた。
【sen-i(繊維研究会)】
1949年創立の早稲田大学の学生を中心としたファッションサークル。2014年度より、理論と実践の両面から衣服づくりを目指して活動している。「方法」そのものを主題化しながら、衣服の制作を行い、ファッションショーやインスタレーションを通じて、自己言及的に「ファッション」および「衣服」への問いを提示している。