デザイナー鹿野博一が手掛けるブランド「chiral」の2015-16A/Wコレクションが発表された。今回で2シーズン目となるchiralは、「少女が女性になるときの不安定な輝き」をブランドコンセプトとしており、デザインされる服には、鹿野氏が捉える「不安定な輝き」への解釈が落とし込まれている。
今回のテーマは「GRADUATION(卒業)」。少女から女性への象徴的な変わり目の1つだ。卒業するときには、人は新しく生まれ変わる。そんな考えからデザインとしては「孵化・脱皮」をテーマとし、孵化をイメージした殻が割れ目を表現する切り込みデザイン、脱皮をイメージし、布が捲れて異なった布がレイヤードで姿を現すデザインが多く見られた。また、生まれ変わるときに放たれる閃光をイメージし、随所にゴールドやシルバーの輝きを散りばめた。
あどけなさを感じるムートンなどの可愛らしい素材と、大人っぽさを表す繊細で美しい素材。この2つを掛け合わせることで少女っぽさと大人らしさを演出し、ブランドコンセプトを分かりやすく落とし込んだ。今後どのような展開をしていくのか、期待のかかるブランドである。