haha 2015 S/S Collection
10月15日、ha ha 2015 S/S Collectionが渋谷ヒカリエにて発表された。
東京コレクション2シーズン目となる今シーズンは、「輪廻-RINNE-」をテーマに掲げ、出産、日常生活、車椅子、梅雨、葬式、隻腕という人の一生を一つのショーで表した。
ズボンの裾に手荷物を入れられる折り返しのポケットがついた服を着用した車いすのモデルのファーストルック。
妊婦ということを周りに示すマタニティマークの認識度が男性では60%に留まるということに着目した、よりマタニティマークを目に付く場所に身につけるといったスタイルからショーは始まった。
今回のメインは何と言ってもブラックフォーマル。デザイナーの鶴田氏は、ブラックフォーマルがモードであることが少ない現状に対し、愛する人との別れのセレモニーであるお葬式に新しいスタイルを提案したかったという。
黒という色は、亡くなった方の喪に服すという意味があるとはいえ、やはり悲しい色でもある。そこにピンクという優しさの色を合わせることによって『やさしい服』としての喪服が表現された。
またやさしさの象徴として最も強烈に印象づけられたのは、全身を隠す市女笠を纏った漆黒のルックだろう。中に纏った花が敷き詰められたワンピースが見え隠れする。
順番は前後するが、お葬式という非日常の出来事と対比して、日常が表現された。爽やかなホワイトとブルーでまとめられていたが、この青もJAPAN BLUEともいわれる藍染めをつかい、日本古来の伝統技術をモードに格上げした。さらに前回と同様に、マグネットボタンやプラスチックファスナーを採用し、車いすのルックでは座った時に一番美しくなるパターンにこだわるなど、”だれにでも”着やすいを忘れないところはユニバーサルブランドとして流石といったところだ。
前回のコレクションから重ねて述べるが、人が身に纏うものとして服は、『ファッショナブルであるか』以上に『すべての人にとって着やすいものであるか』が本来は重要であるように思う。その意味においてユニバーサルブランドであるha haはファッション業界に一石を投じる存在であることに間違いない。
今後の活躍が非常に楽しみである。
text\mako ohno